緑字生ズ 151 (寝息をまねて脈をとる)

151

寝息をまねて脈をとる
顔のない顔
その皺の中を躯が流れる
交わりではなく
弔いでもなく
呪いと愛ですらない
風も耳も鼻も、ロさえもなく
六本の足、四枚の翼、
黄色い布袋の姿が
赤い炎になる
狼でなく
牛でもなく
ヴィニエットの中に棲む

思いつめないで!
口笛吹いて
いま扉を開くと
眼に映る眼の毒、ごろごろの魂、結ぼれざる涙
ああ、無意味なることの子供たち