緑字生ズ 165 (忘れさられた砂場の……)

165

忘れさられた砂場のトンネルが
半分崩れたまま
風にさらされている

街の生命がいつになく淋しいが
ぐり石を見ぬだけもっけの幸い
地の底の神々が吼える
ゆらめく数珠ぶるえ

Ciudad de México 三つの歴史
ああ、命に刻まれる往来
哀惜の腕時計!