〈美術衝動〉作品「Occurrence of liberating impulse: 解放衝動の発生」1,2,3
制作: 2005.12, oil, canvas, 130.3 x 162.0cm 3点
これは「Super-string Theory」5枚組の宇宙論的風景に対して、量子論的イメージを中心にしている。あるいは、ライプニッツのいう「モナド」という存在の基本単位をイメージしている。そのため、タイトルを「解放衝動の発生」とした。
そもそも3枚組であったが、それを分割してそれぞれ単独の3枚の作品としたのだが、それも「個」に分岐することと関連しているのかもしれない。
この作品で初めて、下地段階でマスキングした部分を露わにし、異なった位相を暗示させるという方法を試すことになる。
モノトーンの安定した色調の細部で、激しいひもとスクラッチングのゆらぎがある。もちろん、量子的なゆらぎを表しているのだが、物質粒子として実存する量子が現在の自分の数をカウントするように出現する。
偶発性の中に、実在は己れの叫びを宇宙に轟かす。
[作成時期] 2007/05/10