未刊行詩集『空中の書』04: 贖罪

贖罪

古来、夜の使者と馴染み、悪逆非道の律法を糧とし、巻貝の好餌として封印された王国の名 ああ恋という魔の温床

おれは幼友達が夢に現れ出、細長い蛇に転身してまとわりつくのを知っている そのとき体が浮游し、最愛の妻の乳房に手を伸して許しを乞うのだ

祝祭の日が来た
礼砲が鳴る