見夢録: 2013年11月24日 twitterでの発言について(2)

アメリカも、中国も、日本も、官僚と権力はことを急ぎすぎている。なにか、共通して性急になる理由でもあるのではないか、と勘ぐりたくなる。
もしかすると、われわれは、考えている以上に大きな波のはざまにおかれているのではないか。そして、それはわれわれにとっても急いで対抗しなければならないことなのかもしれない。

以下、数点の発言についてその解説を加える。

・反政府運動までいくかもしれない。右傾化反転の烽火になるか。安倍は倒閣する可能性もでてきたのかも。

これは山本太郎と支援者だけがなしえている行動についての、希望的観測である。
現在、彼がまとめて課題にあげているものの重要性、ジャストなもの、そしてそれを強く国民にアピールしている精力的な活動のことだ。
原発、TPP、生活保護法改悪関連、特定秘密保護法、……改憲など、とんでもない問題が凝縮して、目白押しに並んでいるからだ。
安倍内閣は岸信介、佐藤栄作の一族であり、古くは吉田茂をも含めたこの一族はそれぞれ激しい反政府闘争に遭いながらも、多くの国民を犠牲にしてきた総理大臣たちである。この、悪しき符合はいったいなんなのか。
それに対して、山本太郎の、あまりに右傾化したこの国でただひとり気を吐いている、命をかけている、その気迫はただものではない。
70年代のべ平連よりも広汎な平成の大国民運動になるかもしれない。尋常ではないテーマが山盛りのせいもあるのだが。
安倍内閣は原発問題の先も見えないのに、野党勢力の弱体化を見越して一気に問題法案を通過させようとしている。
しかし、ネットワークを活用した若い世代が、いつのまにか仕掛けられた官僚と政府の罠に敏感に反応して、これに立ち向かおうとしているのだ。
近年の日本の極端なturn to rightは、じつはソフトライト層とソフトレフト層のバランスが偏っているに過ぎないのであり、ハードライト層とハードレフト層は従来の比率と変わってはいないのだと思う。
経済至上主義を日本ドリームとしているのは、この両ソフトを抱えた中間層である。そして、ここでまず、国家主義的なライト層のファシズム傾向が顕著になる。
これは、アメリカを発祥地とした新自由主義とグローバリゼーションによる、経済、政治、軍事、情報に対するアメリカの世界戦略政策の影響なのではないか。それも、なぜか緊急の課題としているように見える。とくに、情報、ネットワークの分野についての危機感があるようだ。
それは、アノニマス、ウィキリークスなどの行動にアメリカが慌てふためいていることと関係がないとはいえない。
つまり、この均衡の鍵を握るのはソフトライト層がノンポリ化していくことにある。
日本では反原発運動がこれほどまでに根強く、本質的な問題を浮き彫りにしているのは、直接的な現実をだれもが身にしみているからだ。左右のソフト層の明確な区別もなく、そう感じているようだ。
とくに、それは、原発について政府官僚と東電が開き直ってきているせいもある。そこには、いまだに、時間がたてば国民などはいいなりになるという権力と資本の傲慢さがあるからだ。この30年余の原子力政策に関与したすべての官僚、東電役員、政治家は東電敷地に檻を作って収監され、その一族郎党の全財産が没収されるべきなのに。
原発被害は土地を奪い、放浪被害者をつくり、汚染国家を生み出し、さらに世界に汚染を広げているのに、まだ国民から税金をむしり取ろうとするのだ。その神経は許しがたいものだ。
山本太郎の、例の天皇への手紙問題は、じつは自民党は党にとってはリスクの高い問題と読んでいたに違いない。
なぜなら、山本議員の辞職決議を出せないのは天皇のリベラルな反応を危惧していたからではないか。つまり、山本議員への同情のシグナルは原発被害者に対するシグナルでもあり、辞職を強行する側は象徴天皇に敵対することになるからだ。
これは、ライト層にもいえることで、脅迫事件を起こすような跳ね返り右翼もまた右側からも強く弾劾されることになると考えられる。
そうなると、ノンポリ層の軸が移動し、極端な安倍政権のごり押しに対し強い違和感が広がるのではないかという危惧が生ずる。だから、自民党は引いているのである。反自民党運動が起こる危険を回避するために、様子をうかがって。そこまでは、それなりの政治感覚である。
しかし、秘密保護法はあまりに幼稚なファシスト官僚の作文であった。まだ、こんな官僚が生存しているとは信じられないが、現実は奇なるもの、頭でっかちの官僚もまたガラパゴスなのであった。
当方は、これは、山本太郎とその支援者の動きによっては、官僚政府とその追随者を倒す好機となるのではないか、と観測したのである。
もしかすると、安倍は何か弱みを握られているのか、と疑わざるをえない。尋常ではないとも思えるのだ。(つづく)