虫の経緯であって もはや
生きても死んでもいない
虫は 輝く夜 奇しくも鏡に
夜を塗りこめて 虫から
翔びたっている
そのとき そのものは死体に死を宣告する
つめたい星を含んだ風が
そのものにはえつづける 桃色の穴を
そよがせる
そのものは もはや
死体を喰らう用はなく
己れの穴によって
宇宙を吸いこもうとして
ふたたび そのものから
翔びたとうとしている
そのものとは
そのものの
輝く夜である
虫の経緯であって もはや
生きても死んでもいない
虫は 輝く夜 奇しくも鏡に
夜を塗りこめて 虫から
翔びたっている
そのとき そのものは死体に死を宣告する
つめたい星を含んだ風が
そのものにはえつづける 桃色の穴を
そよがせる
そのものは もはや
死体を喰らう用はなく
己れの穴によって
宇宙を吸いこもうとして
ふたたび そのものから
翔びたとうとしている
そのものとは
そのものの
輝く夜である