39
熔接工の家を訪ねると
小さな煖炉に
ヴァシリキ式の陶器
燃える水晶時計
雪という字のある娘が死んだので
雪という字のある盲が死んだので
雪という字のある記憶が死んだので
煤けた顔を拭うと
その男は呟いた
たぶん偏執狂であろう
いたわしい別離であったろう
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熔接工の家を訪ねると
小さな煖炉に
ヴァシリキ式の陶器
燃える水晶時計
雪という字のある娘が死んだので
雪という字のある盲が死んだので
雪という字のある記憶が死んだので
煤けた顔を拭うと
その男は呟いた
たぶん偏執狂であろう
いたわしい別離であったろう