緑字生ズ 060 (アンテロースよ)

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アンテロースよ
敵は味方の顔をしながらも敵
なれば、味方は第一の敵である

少年は箸を置いた
オヤシラズが疼いたのである
横になり、天井の疵から目をそらした

蛾が舞い込む
いまだ音沙汰もなく――
少年はpornographyを開いた

盲目になると盲点はどこに移動するか
少年は娼婦の部屋で考える
部屋を出るにあたり
ヴァレリーの詩集を買おうと決心した