〈測定ノート〉200201: (こちら側から)

(こちら側から)

こちら側から突き出ていくものと、向うからやってくるものとがキャンバス上で出会う。
見る場合も、そのような作品からやってくるものと見る者の側から「衝き動く」ものとが空間で出会う。

向うからくるものとは、神秘性、もの、コンセプト、あらゆる形象化したがっているエネルギーであり、これは自ら形象化する力がないから、作家との出会いを求めてくる。弱い自らを、か弱い「光」のルールで光の仮の世界で存在を示すという悲しい物語。
作家は、これも、描く衝動、自らの創造力の強い衝動に打撃せられている。
具象も、抽象も「ものを写す」ものであるが、ここでは「写す」ではなく、造りあげる行為、いわば作品行為がある。

事象はか弱い。事象は人間認識においてその存在を示す。そして、認識とは脳の化学反応である。

[作成時期] 2002/01/99