[資料] アピール! 天安門事件: 02(中国人活動家・著)

 ここにわたしたちは鄧小平、李鵬、楊尚昆反動政権の罪業を強く叱責する。民主化運動に対する弾圧と人民への迫害は、彼らの卑劣さと凶暴な本性をさらけ出し、彼らの弱点と恐懼をも同時に露呈したことになる。今日の中国では民未だに心死なずして、火種が消えることはない。鄧小平、李鵬、楊尚昆を人民が審判する日はもうそんなに遠くない。
 ここにわたしたちの連帯と力を誇示する。海外にいる学生、学者たちが連帯を固めたのは、いかなる特別な団体の利益をも追求するためではない。わたしたちは海外という有利な条件を利用してまじめに活動し、力を貯えて、条件を整えて、国内の民主化運動の新しい高まりが早期に到来するように頑張る。わたしたちは国境を越えた民族、政見の異同を越えた広範な支持を得ている。全中国の人民大衆、全世界に在住する中華民族の子孫、全世界のすべての民主主義者はわたしたちの側に立っている。これこそわたしたちの力量である。
 歴史がわたしたちに呼びかけている。平和、理性、非暴力の手段で、長期的で苦しい闘いをもって、暴政、独裁に打ち勝ち、民主、自由、平等の理想を中国においても実現させるよう、努力、奮闘する決意である。

時には若干の補正にとどめた。転載等は確認を得ているので、ご自由に。

未来の中国の希望

 シカゴ「全米中国学生、学者大会」
 1989年7月28日、世界各地にいるすべての華僑、留学生、および中国の運命に関心をもつ見識のある人びとは大きな熱情をもって、アメリカ・シカゴを熱く見守っていた。第1回全米中国学生、学者代表大会は予定通りにシカゴで開催された。今度の中国民主化運動の支持者で、参加者でもある理論家、のちに各方面の助力で難を逃れて、フランスに亡命した中国社会科学院政治研究所元所長の厳家其、天安門広場で勇敢に戦いぬいた英雄、北京市高等学校自治連合会の発起人と主要な指導者でもあったウルカイシ(北京師範大学1年生、21歳)もわざわざフランスからアメリカに赴き、大会に出席した。
 厳家其、ウルカイシ、蘇昭志、万潤南(中国一の民営企業「四通」公司社長)らの代表が会場に現われると、会場にいる四百余名の参加者は長時間の熱烈な拍手で彼らを迎えた。そして、彼らが生命を度外視して中国の愛国民主化運動に参加したというなみなみならぬ精神に対して全面的な支持と称賛を表わした。
 まずウルカイシが発言した。ハンガーストライキでひどく痛めつけられた体はまだ完全に回復せず、疲労の色の隠し切れないウルカイシは「いかなる暴力も中国の民主化運動を鎮圧することはできない。今度の戦いは終りではなくて、新しい始まりである」と、強く訴えた。天安門広場で中国の民主主義のために貴い命を捧げた烈士たちをいつまでも忘れないようにと呼びかけた。それを語っているときに、抑えきれない哀しみと憤りが、彼の若くて、早熟した顔に溢れ出た。中国の学生が民主を知らないのに、大陸で民主化をやろうとしているという非難について、ウルカイシは反論し、「民主とは独裁者の手から、自ら政治制度と生活格式を選ぶ、もともと人民の手にあった権利を奪い返すことである」と言い、「人民にはすべてを選択する権利がある。海外にいる華僑、学者を含む中国人民が団結すれば、天安門広場に民主の女神のモニュメントを再び建てる日もそう遠くなくなるであろう」と続けた。