all gravity 2
皮膜は確かにあるのだ。BにおいてB´は隔てられたものだ。重力と磁力が溶融しているような状態ではすべてが見えなくなってしまうように、皮膜のあちらとこちらの磁場がそれぞれに高温にさらされているのかもしれない。その安定しない状態にあることで、あらゆる事象との結合が容易になっているのだ――あるいは散乱現象。Bにとっては皮膜が熱によって混濁すればするほど、内部に押し込められることからいっそう離れた場所にいることになるのだから。
斥力は引きつけあう力をその出自にしているはずだが、その根元であるすべてが
だが、問題はBやB´も純粋分離しているのではなく、
意識はそれ自身で存在できないのだから、そのことからどのように脱け出ることができるというのだろうか。そのようなしだいであるから、意識Bと意識B´は連続的に抑圧されているに違いない。――何に?
けれども、熱を帯びて全方向を失い飛び散っていく意識Bと意識B´は互いの空間的距離、あるいは同様にすべての記号と記号´との間の距離を広げていく。
そして、限界まで離れてしまうと、新たな問題が発生する。すべての力が重力にすりかわっているのだ。それは、ふたたび死と強制の道を意味するのだろうか。引きつけあうこと、結合していくこと、宇宙の全重力がすべて重なっていくこと!
私は私の意識が多重性をもち、複数の重なりであることを否定するつもりはない。私自身を含めて私の意識たちが囚われているに違いないことはうすうす感づいている。本当のところ、私たち意識の問題は、私をとらえている私たちの直接的な皮膜にすべて起因しているのだと。私の意識がいくら重力についての議論をしていても、意識におけるすべての問題はこの直接的な身体機構にあることを。(全重力)