未刊行詩集『strandにおける魔の……』10: 秋禊

秋禊

あああああ ああ
これほどの これほどの
んんん
まっさおな夜
主よ!
御身の栄光ある生体解剖よ

伝説という伝説
刈り取られた歴史
街という舞台
熟れた黄金色を発光する天末線
かさなる かさなる 人影が
誰の人影
折り重なる 折り重なる 得体の知れない首
転がる 転がる 輝かしさ
のけぞる娘らの股ぐらを流れる
ほそい ほそい 器官の奥深く
主よ!
御身の偉大なるみ技によりて
冴え渡る星々が張りめぐらされる
主よ!
おおおおお んん
んんんんん
何の薬物効果
何の副作用!
御身の糞溜りの虫どもめ

あああああ ああ!
朝は口から始まり
そそけたつ鎌首に
死に充つる幸いのあらんことを