それでも一歩、ちかづく
――E-mailをもとにした構成詩
風がとまったとき 見えなくて
風は風の中を 見失って
かわるがわるか悪がワルかとか
空はスケルトン 空腹な な
無は無であることを 含める ことことも
状態でも さかしらでもなくなく
空はからっぽ 空という枠組み
とりととめもなく 饒舌と情熱!
齢は加速する、か……
あなぐらから脱け出るあなくろな
いくばくかはあなろぐなの相転移
○炎る夏かさねて夜もあかさたな
味見してして 一個
根野菜がぎっしりり! 一個口
一方的にまきちらされた放射能だ 定量的にとかとか
年齢的には気にしても も とか
勝手なことを 押しつけられれ
いつまでも つづくつづく夜だ 夜だが
奥方の庭の色とりどりの トマトの鮮やかかさ
キタミの朝のはじじまりは
カネイシさんの荒っぽいドライブ 思いがけなく
エゾシカがいく どどと 飛び込んで
――*の女房は*にゾッコンとシオタさんに聞いてどれくらいにゾッコンか、多分見に行ったのでしょう。そしたら、ほんとにゾッコン、夫に惚れ抜いている。(タイラカさん)
惚気も国家も それれらに翻弄される
人びとも 哀れなるるか
「『馬引事典』を作るのが夢と語ってくれた」
あややしげな女性の名で
「繰り返し『呼吸』して
最後かもしれないから」
気まずい別れだが 放ってもおけなな
むずかしいところ それも とも
べつべつの問い合わせか みょうみょうねこなら
「もう、どこにもいない
かけがいのない貴重さとまぶしさ」