擬宇宙論:48980: 池田龍雄氏への書簡2

別のアイデアがあります(いろいろな考えが輻輳しているのです)。
先に、時間と空間の次元サイズがない場合について触れましたが、そうするとひとつのかたまりにすべての情報が含まれるというケースを考えることができます。ひも物質が次元宇宙を緊縛し、その次元がビッグバンにつながり、宇宙形成すると考えたとき、すべての情報が宇宙にばらまかれ、何らかの影響を与えるというような話です(ブラックホールに吸収された情報は復元できるという説もあるので)。
次のアイデア。
これは、「人間原理」的な話に近いかもしれませんが。
137億年の宇宙の歴史の中で、人間の知的活動によって物質から宇宙のシステムまでが解読される可能性が出ているとして、発生以来わずか400万年の人類の知的活動の累進的な高速性がこの宇宙のシステムに影響を与え、場合によっては宇宙過程を変更したり、宇宙の構造を突き破るような可能性がないとは言い切れないかもしれないというアイデアです。
宇宙に、この知的活動という「新しい、異質の」物質過程が生まれたのではないか、というのはどうでしょう? 人間論的にいうと、利己的なDNAは思考を生成する人間存在という物質過程に至ったという――。(日常世界では、ろくでもないのが溢れているような気がしますがネ。)
ただ、「人間原理」にあるすでに設計されたようなニュアンスとは異なり、ここには知的進化のスピードが間に合うかどうかという偶発性を持ってくるのですが。

いずれにしても、あまり人間中心的になると収拾がつかないので、今のところは「実在」という手綱を離さないように考えていこうと思いますが。

 (略)
                  九拝

[作成時期] 
2007/02/27