未刊行詩集『空中の書』24: 岸辺

夢が波のように偏在している
光はより大きな光のために
捩じ曲げられ
永遠の渦を巻く

光のうちにあるものは幸いなるかな
光は無限に直なる神
光の外にあるものは不吉なるかな
光はあくまでとどこおるもの

わが砂のゆくえ
夢にあらわれ
鏡のごとく流れゆく
時はまばたき
夢の胞子にあるべきなり
おお クリスタロイド
最初の名のはじまり

忘却のアシは
一瞬の距離しか知らない
それは一瞬の跳躍
流れゆくものなべて
永劫の遮断である と