【skr??l】(その5) 金石 稔
ただに
夢の遊びがことばになり
謎は奥の戸裏にひそみ消え
ならば息たえるまで
誰の肉になって輝けばいい?
《人間の水》はすでに南へ流れ
戻るのは半身
雪が残った片肩に解けると
ただ片方だけの瞼もうるみ
地を走る風にひかりがふき散ると
何もみえず
しらしらとはじめから
ことばであることを楽しめばよかった
だからただの一句もマリンスノー
時を砕いて海原を波立たす
虫族であれ魚族であれ
鳥族であれ**族一切であれ
これらに属さぬものの以外であれ
息するということは
躓くことにほかならず
ただに
遊びまわることは
夢にほかならず
(2016.4.3)