空に 一文字の掻き跡が睡眠 の 海崩れて 烏が 銜えるほそい光束の ふれつづく 鏡の繊維に 畑から 撃ち墜とす 炎の 首・首・・ くらみ 糊状の 気体が うすい骨盤に 汁すすり 真夜の案内状 を 火焙る 眼の 岐れ際 不安な 幻聴の 化粧を陰画 のほそ襞に 影映し 硬い 死臭の 粉肉に 混れ込ませて 撒らまけよ 夜星の 閃く母音 漂白部におけるテーマ ことば 孕む 孕む ことば 日暮れて 静まる暗黒の 火のかしずく 銀河わたり 群をなす 真夜 の烏の たかい劈きに よじれる繊維 影の中の影 空の中の闇 河を孕む音無しの ひえた眼の唄が 煙る ことばの はらまれの 真夜 焦がす 空白の 弔い合戦 ことば 葬草 ことば 空わたる螺条 眼底に唯一の空洞つづく 死体