中国現代化: 西を見るか東を向くか――詹小洪訪問
本紙記者 易運文/訳者・佐丸寛人
詹小洪。経済学研究者、1956年生まれ、江西人。1986年中国社会科学院研究生院(大学院)卒業、経済学修士取得。現在、中国社会科学院経済学研究所研究員補佐、雑誌『経済研究』編集員。主要著訳書: 『台湾・韓国経済成長モデル比較/台湾与南朝鮮経済増長模式比較』『儒家文化の伝統と経済発展/儒家文化伝統与経済発展』『西洋はいかにして豊かになったか/西方是怎様富起来的』『アジアNIESの経済発展と産業構造調整/亜州四小龍経済発展与産業結構調整』『現実と理想/現実与理想』等。
問: 「三十年は河東、三十年は河西」という中国の古い言葉に応ずるかのように、多くの人が21世紀に世界経済の中心はアジア太平洋地域に移るだろうと予言し、東アジア経済成功の秘密を探ろうというブームが中国で起こってきている。そしてこれに伴い、中国の現代化は東アジアを手本とすることができるかどうかという問題も出されてきた。この現象についてどのような考えをお持ちか。
答: 15、16世紀の地理上の発見までは、ヨーロッパの地中海とバルト海地域が世界貿易の中心だった。のち、世界経済の中心は大西洋両岸に移り、繁栄の「大西洋時代」が3、4世紀の長きにわたって続いた。しかし第2次大戦後、太平洋西岸の東アジア地域で、日本経済が飛躍的に発展し、アジアNIESが急速に台頭し、マレーシア・タイ・インドネシア等東南アジア各国がここ数年来休むことなく成長を続けていることが、世界の注目を集めている。ここに於いて、世界経済の中心は「太平洋時代」に入るだろうと予言する人が出てくるわけである。このような情勢の下で、中国は東アジアを手本に現代化を進めるべきだと主張する人がいることには、一定の道理があると思う。
問: ある人は東アジア経済の飛躍的発展を伝統的儒家文化の影響によるものとし、反対者はこれを外部的環境の致すところと見なし、かなりの程度に於ける西洋化の結果であって、伝統的儒家文化とは全く関係ないとしている。これについてどのような考えをお持ちか。