――そもそもの原因がおれにあるということはありえないが、かといって原因がもたらす次の原因からも無関係であることにはならない。そのことはおれ自身もよく分かっているつもりだ。おまえの場合とは異なって、おれが完全な抑圧の環境に置かれることを願っている部分がおまえにはあるに違いないが、なぜそのような願望をおまえが所有する必要があるのかを、おれは許しがたいものとして、おれの深まりの底に沈潜させているのだ。
だが、それにもましておれにとって真に許しがたいのは、そのようなおまえではなく、おまえを通したおまえの向こう、おれを通したおれの向こうそのものの、連綿たるつらなりであるに違いないのだ。
おれはただ血を見るのが好きなわけでもなく、肉が裂け、骨が砕け散るのに快楽をおぼえているわけでもない。なぜなら、破壊されるものはおれ自身を含んだ、おれの不幸でもあるのだから。
おれはただたんにおれ自身を壊滅的に追いつめることにおれ自身の理由を見出そうとしているのかもしれない。
全面加筆訂正(2011.12.23)