日録■2016年09月01日-30日
■2016年09月01日 07:20
【かけら】
(『豚と軍艦』についての覚書)
――今村昌平『豚と軍艦』
また、強いヌーベールバーグの影響がある。現実を客観的に把握するということと、その醒めた目で路地、海辺、船着場、裏通りの飲み屋、売春街、軍艦のある波止場、横須賀駅などが捉えられる。
2016年09月01日 07:30
【かけら】
KL20150514, Akira Kamita, Acrylic, A3, KL
⇒Works
2016年09月01日 13:34
【かけら】
(『豚と軍艦』についての覚書)
――今村昌平『豚と軍艦』
しかし、コメディということもあるが、すべての役者の演技が日本的な名演技で、このあたりがフランスやイタリア映画の虚無的な描き方と違って、独特の味のある日本映画となっている。
その分は新しい映画ということではなく、戦前から続く日本映画の諧謔と奥深さなのだろう。
■2016年09月02日 08:30:
【かけら】
(『豚と軍艦』についての覚書)
――今村昌平『豚と軍艦』
それにしても、独特の巧い演技をし、それぞれに強い存在感のあるすばらしい役者がこんなにごろごろいたとは。コメディタッチの演技は、日本人役者が世界一かもしれない。
2016年09月02日 18:38
【かけら】
(『豚と軍艦』についての覚書)
――今村昌平『豚と軍艦』
ところで、欣太と春子のおしまいのラブシーンで、ジェルソミーナのテーマのようなメロディが流れていた。
しかし、これもフェリーニの「道」とは反対に、絶望の中の希望ではなく、希望の中の愛のようだ。
■2016年09月03日 15:22
【かけら】
(『豚と軍艦』についての覚書)
――今村昌平『豚と軍艦』
ラストでの春子の強さは、やはり独特のものだろう。
この欣太亡き後の春子のシーンは、当時の急速に回復する日本の状況と無関係ではない。製作者の中に、立ち向かっていく強靭さがあるのだ。
また、長門裕之の演技は特に優れている。こんなに巧かったのかと、いまさらながら感心した。