囚われている太陽に ジンズに
さしこまれる
重圧に押しつぶされて べつべつの
もののためなのか
いたたまれない、おしよせる不安
皮膚には酷薄なのだ その白昼は
フツ族の若者たちの持つ長い刃物が、ツチ族の被害者の脇腹からすっと入れられると、その体は抵抗もなくくずおれていく。あちこちで繰り返されるその行為を幾度となく映し出す。なんという、簡単で明瞭な殺戮。そして、膨大な数の死体への道。人間の体がなんともろく、軟らかいもので作られ、支えられ、薄っぺらな刃物がいかにその肉体にするりと滑り込んでいくのか。
なんらかの形にすることが
すべてが 霧にとざされる
ビールのせいで 歩き疲れたのか
常識をくつがえし 軟水から作られる
役割でもあるような
橙色の照明灯が 形と影をあらわし
夜が深く 何も見えない広がりに
遺稿について話して かさなりつづける
黒い革の旅行鞄に つめたものが
過去をおおいいかくす 鞄の気がして
地下駅に向かう
肉体の内部、肉体とカメラ
脳髄を精神の窓と どちらかが
あるかと 人間の眼球からして
いまさら感じる遠い因縁を