彷える 甲州街道をメフィストされよ朝未明 ゆらめかれる非在の分だけを空孔 抉られて首都甲状腺に吊るされ 酩酊の碧を群げる樹皮よ反目 抛れる季語を重重くふるえ りるっ りるっ りるっ 海星られる神さみだれ 枯れつづく意志から 死病ベーチェット される呪詛の滴れ 睡りに記憶からめ 虫干しなど羽抜る りりりり四季 魂祭れて 姫姦 山わらえる白檀を失跡されて 小刻む残照から鏡まれて 主辞に埋葬せよ時制 金属するフリージアの潤め 繰り糸の移ろわれ あるとき 夢が試されて…… 〈動詞系〉は己れ自らを抽出して〈主格〉を 支配すべきである (おれは母音の動詞群を発明した!) 木下闇する難聴朱 面 る濃霧に昇りはじめて