グラニュの分水嶺 蒼天の吹きぬく縞の 龍吐水 網膜のひと剥げに 浮きつめる山岨の 乾きの香 淘る 淘る 発狂の紐 はりついた 肉桂樹の町が 鈴なりの大気を 潜め声の 粉末化する 言葉の 夜 甲高く 甲高く 撃ちおとす 譫妄症状 燦然の薄氷 垂木の割れ芯に アセチレンの絹を脹らめ 夜道の孔ゆきに 水仙花のほそい舌双つ 幻惑の 幻惑の 低く増幅する 頭脳の吸い音 飽枯れよ 飽枯れよ ドラム・ソロの 襞移し やにわ 眼寄りの風化圧 不倒翁のような銅線を 弛め 陽の滴り 水中実験 おお 春の街だよ楊梅 の または 喘息の 探検家の 単調な 島ぐらしよ 起きあがりの浮屠 残酷な処刑 ひとしばりの彩姿 痛み映え 虹の鵬程をかけて炎 の騒擾雲の呼び