小品 (実験詩集「浣腸遊び」, 1974)

 庭先から
壁を通り越して凝視る 日々の怠堕な計画
表が背中にびったり貼りつく 気配が
およそ軽快な行進曲の単調さを
《夜型》の性格に格子状にデザイン
する 彼の人は
生真面目な住人を喝す様な身振
りで ばしゃばしゃ 脂
を飛ばしている そのためか花壇が
黄色く変色して 無数の虫が涌き出して
陽もほとんど
腐蝕しながら 熔け出している
砕けた夜が沈み込む