雑体:01000 : 句集 睡りつづけるものらよ

 
 
 
九月十五日
水を見る躯
水に触れる躯
横たはる夢
 
 
 
九月十六日
意識が何処にあるといふのでもなく
ただたしかに混濁の底に横たはるもの
 
 
 
九月十七日
嵐の底で覚醒する
怒りと
怒りを抑制すること
囚はれることのすべてから
 
 
 
九月十八日
体内のどこを移動するか
神経と意志のつなぎ目
 
 
 
九月十九日
空間が発赤する
皮膜の向ふに外部宇宙
内部が拡がりはじめてゐる