七月二十四日
光に跡切らるゝ記憶の夏
一日の在り処
七月二十五日
あきらむることは不可能なのだから
生きてゐるといふただ一つの真実がある
七月二十六日
外側の世界だけではなく
世界の内側へ
いのちの道筋 夢の水路
七月二十七日
意識の起伏あるいは意志の襞
泳ぎきるこの勇気
七月三十一日
重ねられた掌の内に動かぬもの
古い皮膚、睡り、水の温もり
八月四日
夜ばかりでもない昼ばかりでもない
扉を叩く音が聞こえてゐるに違ひない
あらはれのはざま