宝石箱　佐藤裕子 喉も嗄れた迦陵頻伽貝殻細工の比翼鳥彫金のマーガレット 　帯留に … 続きを読む →

ものごころ　佐藤裕子 動揺を露にすることや感情を口に出すことは見苦しいもの 　微 … 続きを読む →

桜　佐藤裕子 赤茶けた泥濘を突き生えて来る椅子には叔母が掛けていた 　駄目その本 … 続きを読む →

また　佐藤裕子 あの場所からどのくらいここへ来るまでこんなに掛かった 　蟻を払う … 続きを読む →

小猫　佐藤裕子 土砂降りに震えていたのは皿の上の溶き焼き卵プチトマト 　公園の休 … 続きを読む →

月蝕の姫　佐藤裕子 疫病に関する舞踏劇に於いて非常口消灯閉鎖全ての波遮断 　烈日 … 続きを読む →

空白　佐藤裕子 無人の通りの一日を午後三時で終いにする疲れ切った太陽 　後ろは前 … 続きを読む →

天気雨　佐藤裕子 劇薬を盛り刀身をなぞるなぞった滑らかな飴色の指に触れ 　平衡に … 続きを読む →

日誌　佐藤裕子 既視は何処から聖像から頭陀袋の口を締め邪気のない笑み 　近付く距 … 続きを読む →

迂回の渦　佐藤裕子 群れ成す木霊を引き連れて像は目覚める鍵盤を削る金属音 　不滅 … 続きを読む →