[資料] アピール! 天安門事件: 04(中国人活動家・著)

アピール! 天安門事件: 04

●Date : 4:39pm 10/29/89 From : pcs00372 (直江屋緑字斎)

中南海上層部争いの真相――戒厳にいたるまでの激闘

 4 学生運動を前にしながら、李鵬は自分が経済担当であると言う
 李錫銘が中央政治局に「奏請報告」を奉る前の日に、総書記・趙紫陽はすでに特別列車で北京を離れ、北朝鮮訪問の途についたため、その日の晩の政治局討論会にも出席しないし、その翌日、鄧小平にじきじきご報告申し上げ、お伺いを立てることもできなかった。
 鄧小平の談話を聞いて、政治局はすぐ手分けをして、李鵬、姚依林の二人が日常の仕事を主とし、喬石、胡啓立、李鉄映は学生運動と動乱の引き締めに当たり、具体的な仕事は教育委員会主任である李鉄映が担当することになった。
 一カ月前に李鉄映は人民代表大会と政治協商会の記者会見の席上で、鄧小平のいわゆる「十年間の最大の過ち」について、「われわれ中央と国務院が集団指導体制を取っているが、私は教育担当になってしまってから一年そこそこにしかならないとはいっても、(その問題について)私にも責任があると言わせてもらいたい」との発言をした。
 それは中国と外国のジャーナリストの間に大きな議論を呼び起こした。それでも李鵬よりは責任感がはるかに強い。李鵬はかつて国務院主催の各部、省責任者会議上、「政府の仕事についての責任は私にあるのではなく、私の先任にあると思う」と三回もしゃべったのである。しかし、責任感があるとしても、李鉄映の威力と腕力では、このような学生運動にはとても対応できるものではない。
 よく肥った最高級のプリンスは二十八日、ある人にこう言った。「昨日、私たちは肉団子を食べた。私たちはもし天安門広場に行ったら、学生達に捕まって、生きたまま切りきざまれて肉団子にされるに違いないと、そのとき言いあった」
 四月二十六日、李鉄映が救援を求めた。常務委員の四人が会議を開いた。
 李鉄映は「明日、学生が街頭に出たらどうしよう」と言うと、「流血してはいけない」と胡啓立が言い、喬石も「血を流してはいかん」と言った。姚依林はだんまり、李鵬は「私はどうせ経済の担当だ。しかし、もし情勢が収拾のつかないようになれば、私を起こしてくれ。たとえ私が睡眠剤を飲んで寝ていてもだよ」と言った。