見夢録: 2016年08月01日-31日

2016年08月26日 10:21
【かけら】
Super-string 10-36秒 (L), 2006.7, oil, canvas, F100(130.3×162.0cm)
Super-string 10-36秒 (L), 2006.7, oil, canvas, F100(130.3 × 162.0cm)
⇒Works

■2016年08月27日 10:02
【かけら】
(“Frida”についての覚書)
――Julie Taymor『フリーダ』

はじめのうち、リベラは人物的には凡庸な形で現れるが、ストーリーが進むにつれて、この男の魅力が増大してくる。フリーダ・カーロは、なんといってもこの画家の存在によって輝いたのだということに尽きるのだ。
(それは、この映画の監督と音楽家の関係を推測させる。心にしみるメキシコ音楽を使いこなす夫の力によってこの作品は、豊富な色彩と鮮烈なストーリーを紡いでいく。)

2016年08月27日 14:17
【かけら】
(“Frida”についての覚書)
――Julie Taymor『フリーダ』

それにしても、トロツキーの死の場面は、哀れにもベッドの陰に老妻と隠れているところを撃たれるというのは、なんだか皮肉なユーモアでもある。
この映画が政治的なものでなく、あくまで芸術家夫婦の才能と愛についての表現だということを示している。

■2016年08月28日 15:56
【かけら】
(“Visconti”についての覚書)
――Luchino Visconti『地獄に堕ちた勇者ども』

すばらしい作品
権力がどのように社会に浸透していくか、その悪辣さ、非情さ、狡猾さ、あらゆるものを謀略で蹂躙し、閨閥の利用、権力闘争の熾烈さも含めて

■2016年08月29日 09:46
【かけら】
(“Visconti”についての覚書)
――Luchino Visconti『地獄に堕ちた勇者ども』

鉄の財閥とでもいうべきドイツ貴族が、ナチズムの嵐の中で、ナチスに操られながら、その頽廃的な没落のさまが、葛藤と死の婚儀ともいうべきラストシーンまで、あくまで華麗に、あくまで淫靡なストーリーで表される。

■2016年08月30日 00:01
【かけら】
Super-string Uncertainty principle 4, 2007.3, oil, canvas, M6(41.0 x 24.2cm)
Super-string
Uncertainty principle 4, 2007.3, oil, canvas, M6(41.0 x 24.2cm)
⇒Works

2016年08月30日 10:06
【かけら】
(“Visconti”についての覚書)
――Luchino Visconti『地獄に堕ちた勇者ども』

権力にまつわる、人間の二重、三重の欲望が戦争に向う時代を作っていくということが確かに示される。
ヴィスコンティの貴族趣味、近親相姦、男色など、イタリア的な欲望の世界も見逃すことはできない。

■2016年08月31日 10:36
【かけら】
(“Visconti”についての覚書)
――Luchino Visconti『地獄に堕ちた勇者ども』

死の婚儀は、じつに優れた舞踏の一シーンを見るようだ。
いくつかの事件は、それぞれに実にゆっくりと撮られ、深い悪夢を見ているようだ。なんともこの監督ならではの凝った映像である。
ナチスの突撃隊への粛清、1934年6月30日の「長いナイフの夜」事件が、悪夢への序章なのだろう。