■2016年07月03日 06:00
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『勝手にしやがれ』
時代の前に「息切れ(À bout de souffle)」して、ラストシーンで用いる「最低」というキーワードも、取り残される自分に対してなのか、アメリカ的な文化の流入、つまりフランスの戦後についての思いなのか、批判的な精神なのか。はたまた、抵抗する知のフランスの哲学的、思想的な立場の表明なのか。
2016年07月03日 06:11
【かけら】
Hybrid construction, 2003.12, oil, canvas, F50×2(1820×1167mm), 2004年 第47回新象展
⇒Works
■2016年07月04日 02:41
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『小さな兵隊』
ゴダールというのは、哲学的な思想家であり、行動者でもある、そう強く思わされる。
もちろん、詩人の資質も見逃せないが。
ドキュメント的な手法、プライベートムービー的な画面を用い、作家自身のことばを散弾のように鋭くばら撒いていく。
2016年07月04日 17:59
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『小さな兵隊』
フランス文学の引用も多く、この映画が知的前衛のレベルから製作されていることを示している。
モノクロの夜の都市の画面は、詩情も高く、ハンディカメラの動きが「思考の高速」を感じさせ、なにより美しい。
2016年07月04日 23:59
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『小さな兵隊』
フランスの犯罪であるアルジェリア問題をみつめて、政治的にも哲学的にも、とくにゴダール自身の哲学的な内面と政治的な外面との激突として追究していく場面は、詩的ですらある。
■2016年07月05日 09:43
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『小さな兵隊』
映画のストーリー、つまり事件の進め方は非常に個人的な方向で、商業的な見せ方とは異なっている。
そこがプライベートムービーのような、粗い刃で、坦々と内部に深く食い込むような印象を強く与える。