見夢録: 2016年07月01日-31日

■2016年07月18日 08:28
【かけら】
Super-string theory, or growing the impulse of liberating, 2005.2, oil, canvas, F100(1303×1620mm)
Super-string theory, or growing the impulse of liberating, 2005.2, oil, canvas, F100(1303 × 1620mm)
⇒Works

■2016年07月19日 10:03
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『ワン・プラス・ワン』

作品自体は、音楽製作の現場と政治的な映画制作との現場を同質の緊張感で結合させていて、政治的な意味も含めてじつに先鋭的で気持ちのいい作品だ。
当時ばかりではなく、世界の現実において何が問題でどう向き合っていくのかという戦闘的な姿勢に連帯の意を強くする。

2016年07月19日 23:15
【かけら】
(Felliniについての覚書)
――『道』

ジェルソミーナ!
予知、現実を切り替える力、パントマイム風の演技。
天使と幼児性、あるいは幼児性と年齢とのギャップによる現実回避が白痴の概念。ドストエフスキーの「白痴」のムイシュキンでは現実と神的世界観との乖離がその位置を示している。

■2016年07月20日 09:41
【かけら】
(Felliniについての覚書)
――『道』

隣に天使がいることに気づかずに人生はつづき、天使の死が人生の不幸を自らに刻印する。
運命、過去、人生とはこのように取り返しがつかないものであるために、残酷で、絶望的で、不運なものなのだ。

2016年07月20日 22:13
【かけら】
(Felliniについての覚書)
――『道』

綱渡り芸人は、このような人間の道に導くための堕天使なのか、あるいは神の現われなのか、それとも悪魔のささやきなのか。
ザンパノの道は我々の道、人間の絶望の道。

■2016年07月21日 09:29
【かけら】
Super-string Search for liberating impulse: 解放衝動の探求 I, 2006.4, oil, canvas, 130.3.3 × 162.0cm
Super-string Search for liberating impulse: 解放衝動の探求 I, 2006.4, oil, canvas, 130.3.3 × 162.0cm
⇒Works

2016年07月21日 09:47
【かけら】
(Felliniについての覚書)
――『カビリアの夜』

この作品は、フェリーニ作品の中では非常にわかりやすく、ストーリーも実に自然である。このことは、フェリーニにとって、製作における編集の占める位置が明快であることを示すものである。
『道』の謎めいた流れと比較すると、この作品では2カットくらいしか(洞窟にすむ貧者に分け与える善人の意味するところ、説教に回る修道士とカビリアはどう関係するのか、など)謎めいた箇所はない。

■2016年07月22日 14:04
【かけら】
(Felliniについての覚書)
――『カビリアの夜』

抽象化と省略、余分にある多くのフィルムから冗長性をそぎ落とす作業。おそらく、その製作現場では大量の撮影場面が用意され、これを取捨、カットする独特の感覚的な編集スタイルがフェリーニ作品の奇妙な構成となっていく。
もちろん、それが彼の作品の魅力であり、『道』ではストーリーばかりではなく、画面の抽象性、まとまりに拘泥しない実験的な態度とおそらく密接に結びついている。