■2016年07月06日 012:20
【かけら】
Universe Sheet 1: 宇宙面2, 2007.5, oil, canvas, P20(72.7 x 53.0cm)
⇒Works
2016年07月06日 12:26
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『小さな兵隊』
しかし、ブリュノ役のミシェル・シュボール、またはスパイという役柄は、ゴダールの知性の表出とはマッチしているとはいいがたい。
だから、主人公の独白とその人物との違和感は大きい。むしろ、その違和感が乾いた画面を作っているのかもしれない。
2016年07月06日 12:26
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『小さな兵隊』
アンナ・カリーナにしても、妙に湿ったイメージはない。拷問シーンにしても、虚無的だ。
ゴタールの関心は、現実を乾いた知性としてのことばで切り裂くという点にあるのだろう。
2016年07月06日 18:46
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『男性・女性』
ストーリーと演技の解体。それでも、ぐいぐいひきつける力のある画面が。
とくに、細かな演技指導は避けて、俳優自体の地でドキュメント的に演技させる。
ストーリーは断片的であり、編集で切り張りしたようなところがある。それが、事物が重なって進行している印象を与え、立体的で不思議な重層感となっている。
2016年07月06日 18:52
【かけら】
Super-string Universe Sheet 2: 宇宙面2, 2007.5, oil, canvas, P20(72.7 x 53.0cm)
⇒Works
■2016年07月07日 11:53
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『男性・女性』
だが、素人演技ではなく、十分に演技ができる俳優の自らのアイディアによる自己表現であることによって、妙にリアリスティックで真摯な雰囲気が演技を超えた画面として表れる。
主人公ポールは左翼青年のステレオタイプであるが、彼自身は非常に生真面目な表現をしていて、そのあたりがゴダール特有の冷たいユーモアでもある。ユーモアにも笑うユーモアと笑わずともゆかしくもおかしみの生ずるユーモアがあるのだ。
■2016年07月08日 10:44
【かけら】
(Godardについての覚書)
――『男性・女性』
いくつものインタビューの誘導的な質問と辟易する少女たち。これらも演技とは思われない。少女たちのゆきあたりばったりの日常言語だ。
また、多読家のゴダールの多くの引用で、フランスの知性と政治・思想的な現代性を提示している。これも、ゴダールの映画観が、映画を単なる商品とは見なしていないからで、映画は行動する思想であり、行動する哲学でもあるからだ。